【 SHINOBI 】 ~【忍者】になれなかった男たち~

2021年3月10日

目次

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◆またこの記事は、twitterで連載中されている『ニンジャスレイヤー』を大変リスペクトしているものである◆

◆そのため記事中には標準的ではない言語を扱う場面がしばしばあるため、もしお時間があるのなら以下のページに目を通しておくと、より楽しめるかもしれない◆

◆はじまり◆

【忍者】――

それは古来の『遊戯王』より存在する、超異能戦闘モンスターたちの総称である。

ニンジャソウルをその身に宿し、たゆまぬ鍛錬の上に積みあがったカラテで敵を打ち倒す。

《忍者マスター HANZO》を始めとした【忍者】たちが、《隠密忍法帖》などのさまざまな【忍法】を使い、敵を殺すデッキだ。

《忍法 超変化の術》《忍法 変化の術》といったニンポ(忍法)・トラップの存在によって、ドラゴン族や恐竜族、鳥獣族や昆虫族といったさまざまな怪物めいたモンスターを使いこなすこともできる。

「忍者といえば変化の術」

さまざまな超常的存在に姿を変えることで、それらの強さを得る。

非常に構築の幅が広い、実際強いユギオ(遊戯王)・テーマなのである。

【忍者】は1999年に登場した《青い忍者》から始まり、2019年にはリンクモンスター《忍者マスター SAIZO》がエントリーしている。

今でもそうした強化をもらっていることから、長い『遊戯王』の歴史の中でも特に愛され続けているテーマだというのが分かるだろう。

――しかしそんな【忍者】たちが『遊戯王』で活躍する傍ら、その影として存在する者がいた。

【シノビ】――。

刃の下には心あり。光あるところ影あり。

彼こそ真の暗殺者であり、まさに真の”忍者”であった。

しかし彼、《悪シノビ》は【シノビ】であり、【忍者】ではなかった。

彼らと同じ「忍ぶもの」でありながら、彼は【忍者】として戦うことは許されなかったのだ。

【忍者】ではない――。

『遊戯王』において、その”名”による意味合いはあまりに大きかった。

「テーマに属する」ということは、それだけで大きな採用理由の一つとなる。

そう、どれだけ特異で扱いにくい能力だったとしても、「テーマに属する」というだけで決闘者たちが使う口実にできるのだ。

「ストレージ」と呼ばれる深い闇の中。

『遊戯王』の光の世界で活躍する【忍者】たちを後目に、彼はずっと耐え忍び続けていた。

【忍者】ではない――。

たったそれだけではあったが、彼が【忍者】たちを憎むには、あまりに十分すぎる理由であったのだ。

しかし、そんな彼と志を同じくする者が現れた。

それが《シノビネクロ》だ。

彼もまた「忍ぶもの」でありながら、【忍者】ではなかった。

さらに言えば、もはや【戦士族】ですらなかった。

彼はあの伝説の書籍『Vジャンプ』の出自だ。

『Vジャンプ』と言えば、収録されるものには非常に強力な能力を持ったものも多く、中には元値の数倍以上で取引されるものも少なくない。

だが彼は不幸にも、すでに強力なモンスターを擁している【アンデット族】モンスターとして生を受けた。

『Vジャンプ』出身という輝かしい経歴を持ちながら、彼よりも使いやすく優秀なアンデット族チューナーは既にいくつも存在していた。

2018年という『遊戯王』の中でも新しいものでありながら、彼が「ストレージ」の底へと沈むのにそれほど時間はかからなかった――。

彼らは【忍者】ではなかった。

だがしかし、彼らは誰よりも耐え、忍び続ける者たちだった。

彼らは確かに、真の【シノビ】であったのだ。

深い闇の中。

『遊戯王』の影として、彼らは耐え忍んだ。

忍びつづけた。

「ニンジャ、殺すべし――」

その復讐の怨嗟を、心の奥底で抱き続けながら――。

◆デッキ紹介◆

「デッキ」「デッキの説明」「デッキの解説をしている」

そう、デッキの紹介だ。

《悪シノビ》の能力を使い、大量に手札を確保する。

《シノビネクロ》の能力を使い、大量にモンスターを展開する。

そのまま敵=【忍者】を殺す。

単純明快!

だが『遊戯王』とは、実際そのようなもの!!

デッキ解説などというのは、しょせん筆者の自己満足でしかない!!

読者が読みたいものは、そのデッキがいかにして「敵を殺す」のか、それのみなのだ!!

◆決闘開始◆

「ドーモ、HANZO=サン。悪シノビ/シノビネクロです」

「ドーモ、悪シノビ=サン、シノビネクロ=サン。忍者マスター、HANZOです」

「ユクゾ! HANZO=サン! イヤーーーーーー!!!!」

【シノビ】たちのアンブッシュは成功!

『遊戯王』は先攻有利。「迷ったら先攻を取れ」遊戯王カードショップの大手『ガチまとめ』のライターをしているカモメ・センセイもそう言っていた。

「ヌウウ……!」

だが手札に初動カードが1枚もない! そう、手札事故である。

おおブッダよ! 寝ているのですか!

思えばカードゲームとは、このようなものである。そう、決闘者たちは常にこの手札事故と戦っているのだ。

だが、それでも戦いを放棄することは許されない。手札からカードを2枚伏せ、しめやかにターンエンドを宣言した。

そしてターンはHANZO=サンに移る。

「ドロー、スタンバイ、メイン」

なんとも奥ゆかしい呪文である。

絶対の礼儀としてすべての決闘者が重んじる行為であり、これを欠くことは大変シツレイにあたるとされている。

だが次の瞬間、【シノビ】たちは戦慄した。彼が繰り出してきたのが【忍者】ではなかったからだ。

《幻影騎士団ティアースケイル》、『遊戯王』における超異能戦闘集団カンキョウ(環境)デッキ・クランの一つである【幻影騎士団】の筆頭として名を連ねる、史上最強の初動カードである。

ティアースケイル=サンの繰り出す大量テンカイ・ジツによるモンスター展開!

そして《聖騎士の追想 イゾルデ》からエントリーしたのは、【シノビ】たちの宿敵・忍者マスターHANZO=サンだ!!

《忍者マスター HANZO》は、すべての【忍者】を統べる頭領である。

召喚成功時には【忍法】をサーチし、特殊召喚時には【忍者】をサーチできる!

まさに【忍者】のために生まれた【忍者】!! 【忍者】になれなかった【シノビ】たちが相対するに、十分すぎる理由であった!!

そして気づけば、大量のモンスターが展開されているではないか!

これには【シノビ】たちも驚愕の色を隠せなかった。

現時点でのカラテ(総攻撃力)は5300! 対する《悪シノビ》はたったの400!

まさに自らの生命力の半分以上を奪い去る! コワイ!

「死ね! 悪シノビ=サン! バトルフェイズだ!」

HANZO=サンは、自信に満ち溢れた様子で高らかにバトルフェイズを宣言した。

4900のダメージを見舞おうと、《悪シノビ》に襲い掛かる!!

だがその攻撃は通らない! 発動されたのは、古来より伝わる【シノビ】の防御ジツ《くず鉄のかかし》だ!

カカシが身代わりとなって、イゾルデ=サンの攻撃を食い止める! だがアンブッシュを宣言している以上、《悪シノビ》のドロー・ジツで手札を加えることができるのだ!!

「ヌウ! 小癪なマネを!!」

HANZO=サンのスリケンが、《悪シノビ》に向かって放たれる!

だがその刹那、上空から赤い光が飛来した! 《工作列車シグナル・レッド》だ!!

列車が盾となり《悪シノビ》を守る! 攻撃を宣言されたので《悪シノビ》のジツでドローする!

これがコンボ! これがシナジー!

2000のカラテを誇る、ジョウゲン=サンの鎖鎌が【シノビ】たちに襲い掛かる!

だがこれ以上ドローを許したくないジョウゲン=サンは、《工作列車シグナル・レッド》にその刃を向けた!

あわれシグナル=レッドは爆発四散!!

だが【忍者】ではこれ以上のイクサは不可能!

HANZO=サンは2枚のカードを伏せてターンエンドを宣言した。

しかし、この攻撃を凌いだことで【シノビ】たちは確信した! 己らの勝利を!

伏せカードの1枚《トラップトリック》を使い、《トゥルース・リインフォース》をセットして発動!

エントリーしたのは【帝】の重臣、《天帝従騎イデア》だ!! その胸は貧相だった。

イデア=サンのヨビダシ・ジツによって、《幻影騎士団ダスティローブ》がエントリーした!

これで場には3体の戦士族モンスターを並べることができるのだ! ヤッター!

再びターンは【シノビ】たちに回ってきた。

「ドロー、スタンバイ、メイン」

どのような決闘であろうと、すべてはこの呪文から始まるのだ。

【シノビ】たちが繰り出したのは《聖騎士の追想 イゾルデ》だ! 実際その胸は豊満であった。

だが《幻影霧剣》によって、イゾルデ=サンの動きは封じられてしまう。

《幻影騎士団ティアースケイル》から呼び出された《幻影騎士団ダスティローブ》《幻影騎士団サイレントブーツ》のコンボで、先ほどのターン手札に加えていたものである。

しかしこれはお互いに承知の上だ。

【シノビ】は《幻影霧剣》を使わせねばならないし、【忍者】は《聖騎士の追想 イゾルデ》を通してはならない。

これが駆け引き! これこそまさに真の『遊戯王』!!

【シノビ】たちは続けざまに手札の《ヴェンデット・コア》をハラキリさせて《ワン・フォー・ワン》を発動!

エントリーしたのは、戦士族の汎用チューナー《屈強の釣り師》だ!

この刹那、HANZO=サンの頭によぎったのは、『遊戯王』で最も恐れられている”あのカード”だった。

HANZO=サンは反射的に《忍法 超変化の術》を発動する。

《忍者マスター HANZO》と《屈強の釣り師》を退場させて現れたのは《アルバスの落胤》!

今もっとも【ドラゴン族】で期待されるモンスターだ!

そのままイゾルデ=サンと融合し、現れたのは《鉄駆竜スプリンド》! 相手ターン中にアルバス=サンのヘンシン・ジツを使用することで、相手モンスターを除去できる強力な融合メカ・モンスターだ!!

しかしこれで見えている妨害はすべて使わせた!

満を持して登場したのは、《シノビネクロ》本人だ!

《シノビネクロ》はチューナーモンスター! HANZO=サンの苦悩も空しく終わってしまう! ショッギョ・ムッジョ!!(諸行無常のこと)

《悪シノビ》と《シノビネクロ》の力が合わさり、現れたのは『遊戯王』最強のテンカイ・ジツを持ったリンクモンスター《水晶機巧-ハリファイバー》!!

そして呼び出されるのは、自己再生チューナーマシン《ブンボーグ001》だ!!

そうこの流れは、あの伝説の呪文「ハリラドン001オライオン」だ! 現代遊戯王の集大成ともいえるこの呪文を前に、HANZO=サンは戦慄した。

アクマ的な展開能力である。

ゲンジューキ・インダストリのアウローラドンから繰り出されるモーターメカ・トークンから繰り出される無数のシンクロ素材!

そしてチューナーモンスターである《シノビネクロ》を、《ブラック・ガーデン》《ヴェンデット・コア》で何度も特殊召喚する!

まさにアンデット! まるでオバケ!

たちまちに盤面は地獄絵図と化していた!

3200のスゴイツヨイ・カラテを誇る《星態龍》! カンキョウデッキ・クランでも最強と名高いバリキモンスター《真竜皇V.F.D.》!!

なんとマッポー(末法)めいた光景であろうか!!

大勢は決した。

現代遊戯王の最高峰カンキョウデッキ・クランに名を連ねる凶悪モンスターの前に、【忍者】たちは成す術を持たなかった。(主にVFDのせいで)

ナムアミダブツ!

◆おわりに◆

【シノビ】たちの復讐は終わった。

だが勝負を決したとき彼らが感じたのは、復讐を成し遂げた達成感などではなく、ただの虚無であった。

――思えば、勝敗を決したのは自分たち【シノビ】ではない。

ユギオ・カンキョウで活躍するパワカマンたちだ。

長い歴史の中で、『遊戯王』全体のカードパワーは加速度的に上昇している。

どれだけテーマとしてのサポートが多くとも、時代に即した力を持たなければ生き残ることはできない。

彼らが憎んでいた【忍者】たちも、また『遊戯王』の影の存在だったのだ。

【シノビ】たちと同じく彼らも、《幻影騎士団ティアースケイル》や《アルバスの落胤》といったパワカマンの力を借りて戦っていた。

彼らもまた長い間『遊戯王』という舞台で、忍び、戦い続けていたのだ。

【シノビ】と【忍者】。

同じ「忍ぶもの」でありながら、異なる”名”を持った者たち。

だが、その間には確かに”それ”があったのだ。

――ユウジョウ!!

おわり。

ここまでお読みいただいて、ありがとうございました。

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